実施報告:安東 2018国際アコースティックギターフェスティバル“ 第4回 DINGA DINGA ギター音楽祭 ”

2018年6月9日、安東国際アコースティックギターフェスティバル「第4回 DINGA DINGA ギター音楽祭 」に参画してまいりました。

会場となる知禮芸術村(チレイェスルチョン/チレイゲイジュツムラ)は、安東市内から車で約40分ほど。緑の香る山ふところ、湖をのぞむ丘にあります。

韓国儒教の大家 李退渓(イテゲ/リタイケイ)を輩出した “韓国精神文化の首都” 安東の地で、かつて両班(ヤンバン/貴族階級)が暮らした邸宅(歴史的建造物)を大切に保存し、韓国伝統の暮らしを守り伝える芸術村。

ここでは、テレビドラマでおなじみの「トンイ」や「張禧嬪(チャン ヒビン)」が生きていた朝鮮王朝・粛宗(スクチョン)時代の歴史を肌で感じることができます。

みのおてならいでご指導いただいた画家 ホシ ミサさんによるアート「安東ぬり絵」の特別展示が開幕前の音楽祭をさらに盛り上げます。

山の端に最後の光が輝くころ、いよいよ第4回 DINGA DINGA ギター野外音楽祭の幕が上がります。

国際アコースティックフェスティバル推進委員会 金源昌(キム オンチャン)会長のご挨拶にはじまり、グローカル友好協会 星 正 理事長、みのおてならい主宰もご紹介にあずかりました。

夜を徹して行われるこの野外音楽祭には、国籍、性別、年齢を問わず、アコースティックギター、そして音楽を愛してやまない人々が集います。

いつしか観客席も満席状態に。

ギター音楽祭は晩餐をはさんで、第1部と第2部にわかれて演奏が披露されました。

晩餐会では、安東の郷土料理、オーガニック素材にこだわった伝統の韓方料理に舌鼓。これらは、推進委員会の金玉卿(キム オッキョン)対外協力委員長、そして、芸術村代表の金秀炯(キム スヒョン)参画の奥様で伝統料理研究家の金英珠(キム ヨンジュ)さんをはじめ、現地女性スタッフのみなさまの手作りです。

韓定食を思わせる、保存食、発酵食の繊細な盛り付けに、現代的な感性が織り交ぜられた、食の継承の新しい息吹を一品一品に感じつつ、その丁寧な味わいにお箸が進みました。

招待演奏者として出演されたピアニスト、そして、特別ゲスト の澄んだ歌声が響きわたります。

画家のミサさんも舞台上で国民的愛歌「風の吹くところ」を韓国語でご披露され、満場大合唱になりました。

音楽愛好家 福住利通さんと音楽祭のディレクター黃潤晳(フアン ユンソク)さんの、この日1度限りのリハーサル後とは思えない初セッションも!

言葉が違っても、音楽に国境はなし。こうして日本側のパフォーマンスも客席を沸かせます。

村内の碑に刻まれた「游於藝(芸に遊ぶ)」との孔子の教えにならい、志いかんで、誰もが音楽、そして芸術を通じて平和をひらく “君子” になれる、最高の経験となりました。

最後になりましたが、金源昌会長、金玉卿対外協力委員長をはじめ、運営にご尽力いただいた関係者のみなさまに心より感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。!

安東観光&グルメ

安東で体験した観光&グルメも少しご紹介します。

音楽祭前日入りした日本からの参加者は、安東市のデラックスな観光バスで宿泊するホテルへ移動。

その夜、源昌会長、玉卿対外協力委員長のご夫妻による、日本側参加者への歓迎の宴へのご招待をいただき、韓国のすき焼き鍋、安東牛の「プルコギチョンゴル」を体験しました。

安東は韓牛が有名で、安東牛は韓国を代表するブランド牛です。

お肉、そして野菜をふんだんに使う鍋は、日本のすき焼きほど甘くはなく、旨味のつまった味わいは格別。玉卿委員長は特注の高麗人参を大量に追加投入されるなど、特別のふるまいを受けました。

その韓牛を扱うお店が集まるプルコギタウンこと、安東韓牛豊山市場(アンドンハヌプンサンジャント)にある「豊山大邱食肉食堂」は、観光客では決してたどり着けない、現地の人たちでにぎわう名店です。

名物鍋をいただいた後、ホテルへ帰る途中、恋の名所「月映橋(ウォリョンギョ)」 に立ち寄りました。

湖面は文字どおり、月が映るほど穏やかで、ライトアップされた幻想的な風景が広がります。 慶尚北道安東市象牙洞と城谷洞をつなぐ安東湖にかけられたこの橋は、2003年に開通。長さ387メートル、幅3.6メートルで、韓国内では一番長い木造人道橋だそうです。

外音楽祭の当日は、朝食をすませた後、陶山書院(トサンソウォン )へ。

韓国のお札1000ウォン紙幣の肖像でもある李退渓の学問と徳を称えるために1574年に安東の儒林たちの進言によって建てられました。

1969年に史跡第170号に指定された韓国儒教の総本山とも言える書院です。

陶山書院は李退渓が生前に建てた陶山書堂(寺子屋)と、死後4年後に弟子たちが建てた書院から構成され、韓国書院建築のモデルとなっています。

昼食は、安東の郷土料理チムタク発祥の地、安東旧市場の安東チムタク横丁のお店「両班チムタク」で。

鶏肉、じゃがいも、にんじん、玉ねぎなどの野菜と春雨が調和した甘辛くも淡泊な味わいが特徴。お皿にダイナミックに盛り付けられたチムタクに驚きましたが、とても美味しくて完食できました。

昼食の後、いよいよ会場へ。

臨河ダムの建設で水没危機になった芝山書堂、芝村宗宅などを移設した知禮芸術村。ここは、オンドル部屋と郷土料理、韓国伝統文化が体験できる文化体育観光部・韓国観光公社認証 優秀伝統韓国式家屋文化体験宿泊施設となっています。

安東へ行かれる機会があれば、名所、名店へも、ぜひ足をのばしてみてください。