実施報告:第28回 宮沢賢治の郷 岩手県花巻イーハトーブからこんにちは! 愛らしい「貝雛」をお茶っこしながら手づくりする 体験会

1月19日、岩手県花巻市 “貝雛” 伝承家のNaokoさんを講師にお迎えして、第28回 宮沢賢治の郷 岩手県花巻イーハトーブからこんにちは! 愛らしい「貝雛」をお茶っこしながら手づくりする 体験会を開催いたしました。

花巻在住のNaokoさんは、ご両親が夫婦和合で、長年取り組んでおられる貝雛づくりを伝承されています。関西では今回が初の体験会。

「まんずみなさん、よぐ来てけだだんす」

方言で話すことはなかなかなくて…と照れながらのお国言葉でのご挨拶に、みなさんも思わず笑顔に。アットホームな温かい雰囲気に包まれ、まるで私たちが花巻を訪れているような気持ちで、体験会のスタートです。

貝雛とは、中国渡来の厄払いがルーツの身代わりの人形(ひとがた)から、ぴったりと添う一対の貝に女の子の幸福を願うあそびの“貝合わせ” と、おままごとの “雛遊び” が結びついて生まれたといわれています。

今回は、その由来にぴったりな万寿貝(まんじゅがい)で内裏雛を作ります。Naokoさんは「しあわせ貝と勝手に名付けました」とニッコリ。

各テーブルには完成品が飾られ、写真入りのテキストや、貝雛づくりのキットが並びます。

これらはすべてNaokoさんの手づくり。何より、様々な模様の着物地をパーツごとに切って、両面テープもつけられている、至れり尽くせりの初心者にやさしいキットが嬉しく。

貝雛を貼る台紙となる色紙も、今回の為の特注品。桜と橘が描かれて、雛飾りにぴったり。

さらに、裏側にお父様の書、宮沢賢治さんの「雨ニモ負ケズ~」の一文が入ったプレミアム色紙も。こちらは数に限りがあるので、各テーブルでじゃんけんに勝った方1名ずつにプレゼント。
「子供の健やかな成長はもちろん、みなさまのご健康や家庭円満など、いろいろな願いを込めて作っていただければ…」とのNaokoさんのお言葉に、それぞれ想いを馳せつつ、いよいよ製作開始。

殿と姫が描かれた貝に、着物を着せる要領で、まずは襦袢の襟を貼り付けます。

実際の着付けと同じで、襟がたるむとだらしなく見えてしまうので、ぴしっと伸ばしておくと、すっきりきれいに見えますよというアドバイスに、最初が肝心と、みなさん慎重に貼り付けていきます。

次は着物。小さめの生地は下前に、大きめの生地は上前に。上前は、柄の出方を考えて、あれこれ悩むのもまた楽しく。

着付けが終われば、殿には笏(しゃく)、姫には扇を胸元にはさみます。

着物の柄はもちろん、襟元の角度や、重ね襟の幅、笏や扇の位置によっても、ずいぶん印象が変わります。

お内裏様ができあがったところでお茶っこタイム。

Naokoさんからのお土産、岩手銘菓「かもめの玉子(しかもおめでたい紅白バージョン)」とお茶でホッと一息。できあがったお内裏様を見せ合ったり、写真を撮ったり、おしゃべりにも花が咲きます。

ほっこりした後は、いよいよお内裏様を色紙に貼り付け、お好みで、折り紙の鶴や亀、ほたての稚貝の飾りや、「貝雛」「寿」などの小さな書を飾ります。仕上げに、どんぐりの笠の部分に着色をした烏帽子を、殿の頭の上にちょこんと貼り付けるとできあがり。

最後は全員で作品と一緒に記念撮影。Naokoさんからは、手づくりの貝のストラップと、お父様の書が添えられたお礼のカードもいただきました。
新元号を迎える年のはじめ、愛らしい貝雛に願いを込めて……。ひと足早い春のぬくもりを感じるひとときでした。

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コメント: 1
  • #1

    中野 由貴 (木曜日, 16 5月 2019 10:35)

    お雛様作りは、着物の柄の模様合わせなどとてもたのしくて、久々に心地よい集中力を発揮(笑)。3月のお雛祭りに飾りました。どうもありがとうございました。
    私のブログでも報告させていただきました・・・https://bonjour-konogoro.blog.so-net.ne.jp/2019-01-20